top of page

『現代性教育研究ジャーナルNo.132』公開、そして市民の草の根運動

更新日:2022年3月15日

●『現代性教育研究ジャーナルNo.132』

『トランス男性による トランスジェンダー男性学』執筆の背景を記述してもらえないか、というお話をいただいてありがたく対応させていただきました。私は何かしらの研究者ではない身分なので、公に文章・思想を公開される機会は貴重です。


トランス男性のフォトエッセイ『COMPLEX』出演者の方々にも感謝申し上げます。

なぜ「トランスジェンダー男性学」なのか

トランスジェンダーと男性学の接続点を探る


No.129のブックガイドでもご紹介いただいております。


『現代性教育研究ジャーナル』のなかでは

“LGBTQ当事者”のトランスヘイターが時々執筆者にいることは知っていたので、トップの記事を書かせていただけることになって「よろしくお願いします」とお答えしました。よろしくない情報は、少しでも良いと思える情報で打ち消したかった。

しかしNo.132のブックガイドがあれなので朝からショックを受けている。私は自分以外の執筆者の情報は知らなかった。



●草の根運動

フェミニストの友人と話していた。

最近市民図書館に通うようになったが、読みたい本がない。図書館利用者に真っ先に手に取ってほしいような本がない。ヘイト本が置いてある。すなおに悔しい。それで、図書館へ本のリクエストをすることにした。ちょっとした草の根運動である。


私の通う図書館の場合。

「性教育・女性問題」という棚がある。だが「男性問題」はない。なぜ?そこを通りかかる男性からしたら、ああ男性はないのか、何も問題ではない(ことにされる)のか、と素通りされてしまうだろう。男性学系の本をもっと仕入れるべきだ。

「女性問題」と括られるとき、それを引き起こしている大元の原因は十分に「男性問題」であることを意識してほしい。たとえば「女性は男性の半分しか賃金をもらっていない」という問題は、「男性が女性の2倍賃金を得ている」という指摘に言い換えることができる。女性ばかりをマイノリティとして炙り出すよりは、男性の立場がどうあるのか客観的に記述して暴いた方が効果的な場面がある。


LGBTとタイトルにつく本の場合。マジョリティ向けに「LGBTの扱い方」を説くような本が多かった。当事者による言及は見られない、乏しい。これではマズいのではないか。


フェミニスト系の本だって、ミサンドリー寄りの本や、マジョリティ女性向けの本ばかりで他の要素を取りこぼしすぎてしまうのは良くない。


ある作家さんが「図書館で私の本を読んだとか報告しないでほしい。ちゃんと買って」と発言しているのを見たことがある。図書館で育ってきた私にとって、ショッキングではあった。書店で購入することもあるけれど、そうやって対応できるときばかりではない。


それに、本を購入するには資本が必要だ。経済的な格差、教育の格差がある。図書館だって我々が支払う税金によってまかなわれているのだろう?恥じることはないじゃないの。それが私の意見。そしてとりあえず図書館に辿りついた人には、差別や偏見を植えつけずに済む本を手にとってほしい。その環境が必要だ。リクエストしておいた本が“市民の”本として図書館の仲間入りするのは嬉しい。

閲覧数:77回0件のコメント

Comments


Post: Blog2_Post
bottom of page